―トゥルルルル…
『…はい。』
「もしもし。私…由芽だけど…。」
『…うん。』
彼の声がやけに落ち着いて聞こえた。
ううん。
落ち着いているというよりは冷たく感じたんだ。
「…なんで…ブロックしたの…?」
涙をこらえる私はそう言うのが精一杯で…
『…もう、こういうのはやめたほうがいいかなって…。』
うん。わかってる。
わかってるよ。
けどね…
好きなの…。
「…解除…して。」
頑張って声を出す私。
だけど…
―ツーツーツー…
堪えていた涙が一気に溢れ出す。
「ふっ…うぇっ…。」
やっぱり無理なんだ。
好きなのに、それは叶わなくて…。
叶わなくてもいいから、君と話していたかったのに、それだけで幸せだったのに、それさえも許されないのですか…?
溢れる涙を袖口で拭った時にふと気づく。
「通知…。」
―『は?』
解除…してくれた…?
その後、何度かLINE送ってみたけど返事は素っ気なくて冷たくて…
私はブロられたことに、冷たい返事に悲しくなって、怒りさえ込み上げてきて…
そっと白い雪の花を送る。
『スノードロップ』
スノードロップには
『希望・慰め・逆境の中の希望・初恋のため息・恋の最初のまなざし』
という花言葉があるんだ。
でもね…
人に贈ると
『あなたの死を望みます』
という意味を持つの。
私はわかってたんだ。
だから、それを…


