ロッシュの限界


けれど、いくら夕日が綺麗でも
佐藤があたしを好きだと言っても
あたしも佐藤が好きだったとしても
それでも。


「あたしは佐藤と付き合えないよ」


この先一生、何があっても。


「…うん」


結論はシンプルで、これ以上はない。
佐藤も解っているはず。
あたしたちは、付き合えない。

少し悲しそうに目を細めて「うん」ともう一度呟いた。
あたしも少し悲しくなってしまう。