しかし運悪くあいつが座った席は

私の前の席だった。

私は必死に私だということに気づかないで

と、願うだけだった。

しかし、あいつは席にすわるなり

近くに人に名前を聞いていた。

私にも聞いてきた。

「なぁあんたの名前は?」

もう無理だと思い私は言ったんだ。

「瑞雁笑莉・・・」

「みずかりえみりね
おっけい。よろしく !」