学校を出るとき、
「あれ?夏帆じゃん」
あたしは、ビクッとして
声のしたほうへゆっくり振り向いた。
「翔太……」
そこには、ジャージ姿の翔太がいた。
今、いっっっちばん会いたくない奴!
「翔太、部活なんじゃないの?」
「うん、でも途中からサボった」
「…………」
サッカーうまいからって調子のんなっ!
「俊哉くんは、サボらないのに」
あたしは、ボソッとつぶやいた。
すると、翔太の眉がピクっと動いた。
「はぁ…お前さ、まだ俊哉のこと
好きなの?」
「そ、そんなんじゃないけど」
今は、好きじゃないと思う。
「今は好きじゃないんだ?」
「うん、まぁ」
あたしは、翔太と目を合わさないように言った。
「じゃあ、好きなやつって
誰だよ」
翔太は急にあたしに近づいてきた。
あたしは、だんだん後ろに下がる。
「今は……いない…かな?」
そう言った途端、校舎の壁にあたしの背中がくっついた。
その途端、翔太が私に覆いかぶさった。
「…っ…」
またこのシチュエーションかい!!
「俺の目、見て言ってよ」
「なんで…別にいいじゃん」
あたしは、恥ずかしくて俯いた。

