近距離幼なじみ





「あたし、どーすればいいかわかんない」


「え?てことは、夏帆、落ちたの?」


「ちがう!それは断じてちがう!!」



あたしは、全否定した。


「だって、あたしあいつ嫌だもん!

俺様だし、ワガママだし、自己中だし、

そのうえ、あたしをもてあそぶチャラ男なんだもん!」




「じゃあ、なんでそんなに悩むの?」



悩むのって……


たしかに翔太のことで悩んでる。



だけど、翔太の何に対して泣いているのかわからない。



「ほんとどうしたいのかな、自分」


あたしは、うつむいた。


すると、俊哉くんはあたしの頭を

ぽんぽんとした。


「まぁさ、時間かけてもいいからさ、

しっかり考えなよ。


あと、翔太の気持ちを考えてあげて」



そんじゃ、と言ったあと、俊哉は
教室に入っていった。



翔太の気持ち………。



『ただのゲームだろ?』



ツキンって胸が痛む。



なんだろ。


俊哉くんに彼女がいると知ったときと

にている。


でも、そんな恋とか好きとか


そんなはずないもん………。



あたしは、そのもやもやを

心の奥にしまった。