大嫌いなアンタに惚れるなんて ありえない






私の声は、
またまたどこにも届かず…。


連れてこられたのは駐車場。


「お前さぁ、そんなに肌見せてて、誘ってんの?」


「はぃ?!
これは、雪ちゃんが選んだんです。
雪ちゃんには逆らえないので…。」


「可哀想だね、君。名前は?」


「茉梨です。」


「これ、着ろよ。」


そういって手渡された
紺色のカーディガン。

たぶん、この、雅人っていう人が着てたやつ。


「いえ、結構です。
あなたが困るんじゃないですか?」


「別に。
茉梨がそんな格好でいたら、周りの男どもが見てくんだよ。
早く着ろ。」


「はい。」


この人も怖い…。

しかも、雪ちゃんがいたときと、態度が全然違うし。