そして、素直に健吾の後ろに跨った。


あたしが乗ったのを確認すると、健吾はバイクを走らせた。


段々、スピードが増す。


猛スピードで過ぎて行く、風景。


あたしは全てから目を逸らすように、健吾の背中にしがみ付き、顔を隠した。


健吾がどこに向かっているのか、あたしにはわからない。


わからないけど、不思議と何か言う気にはなれなかった。


そういえば、、、


あたしが初めてバイクの後ろに乗ったのは、響月のバイクだった。


バイクの免許を取った響月が、嬉しそうにあたしのことを乗せてくれた。


、、、その時、あたしは星夜に出会ったんだ。