「ようこそ、私立探偵事務所HAWKE BRIGHTへ」


一礼する山城達に合わせ、恭介も取り敢えずと頭を下げてみせた。

今から始まるという期待と、未知の領域に踏み込む恐怖の両方が、彼の心を支えている。


「アンタ、中々良い表情(かお)してる」

「……そーか?」


ニヤリとする美風に返すと、今度はクスリと聞こえてきた。


「さて、ご用件は何でしょう?」


低い声が落とされて。

遂に、その舞台の幕は開いた。