西村君なんて大嫌い、大嫌い。
そう思い込んでも屋上で冷たかった西村君を思い出したら涙が出てくる。

今でも西村君を見たらドキドキしてしまう。


あれから数週間たった。


西村君と私は接点なし。


私が近づくと西村君は逃げる。


ほら、今だってわざと私から離れようとしてる。


すると由佳ちゃんが私の背中を押して


「話してきなさい。西村君と。」


と言った。


「ーーうん!」


私は急いで西村君を追いかける。


待って、待って、待ってーー


「に、西村君っ!」


すると西村君は少しこっちを振り向いてまた歩き出した。


…無視ですか。
でも私はめげない。


「西村君、私、諦めないから。

西村君はどれだけ私のことを嫌いか知らないけど私は西村君が大大大好きなんだからっ!

だから、だから私からーー逃げないで!」



西村君は返事もせずにスタスタと歩いて行った。


西村君、行っちゃった。

でも、これでよかったんだよね。

私の気持ちはもう伝えたんだから。

そうして私は由佳ちゃんのいる場所へと戻った。