「嘘っ! あり得ないわ!
あんたたち、付き合ってもうだいぶ経つわよね?

なのに、キスしてないの?」


そう叫ぶ由佳ちゃんを落ち着かせながら否定する。


「キスはしたって。」


「だーかーら、それは唇以外の場所でしょ?
それはカウントされないの!」


そう言って私を屋上に連れて行く由佳ちゃん。


そして屋上につくと、


「あんた、今日の帰り、誘惑しなさい。」


「…誰を?」


私が恐る恐る聞くと由佳ちゃんは当然といったかんじで、


「西村君に、決まってるわよ。」


と言った。