一週間だけ付き合って


ピーンポーン


彩の家につき、インターホンを鳴らす。


「はーい。って、どうしたの⁉︎ 」


彩の母親が俺らをみるなり驚く。


そりゃあそうだ。
自分の娘が真っ赤な顔して、しかも彼氏に抱き上げられて帰ってきたんだから。


「すみません。いろいろありまして…」


そう言って俺が話すと彩の母親はため息をついた。

とくに驚く様子も怒る様子もない。


「ったく、そんなことだろうとは思ったわ。わざわざありがとね。
彩、部屋に行きなさい。」


そう言って彩の母親はまた、ため息をついた。


俺が彩を降ろすと、彩は俺の腕にしがみついて


「いやだ! わたし、きょうはにしむらくんの家に泊まるもん!」


離れない彩。


すると、彩の母親に角が生えた気がした。


「彩っ! いい加減にしなさいっ!
なに? 勝手にお酒飲んで? 西村君に迷惑かけて? しまいには泊まりたい?

ふざけないのっ!」


うわっ、怖っ。

彩の母親、優しそうな顔してて怒るとすげえ怖いんだな。


そう思ってると彩は急にシュンとして、


「ごめんなさい…」


と言った。