「えー? だってあついもん。」
「だからって、その格好…」
俺に襲えってこと?
「とりあえずこれ着ろ!」
とりあえず俺は上着を渡す。
すると彩は渋々着てくれた。
「にしむらくんー、いまなんじ?」
「ん? 今は6時だな。もうこんな時間か。」
そろそろ彩を送らなきゃな。
でも、彩の母親になんて説明しよう…?
「えー! もうこんなじかんなのぉ?
まだにしむらくんといっしょにいたいよぉ。」
「ダメだ。帰るぞ。」
俺がそう言うと彩はムッとした様子で
「やだ! お泊まりするもん!」
と言った。
って、泊まる⁉︎
いやいや、こっちの身にもなってほしいよ。
「泊まるなんて絶対ダメだから。」
そう言って彩を抱き上げる。
「いや! はなして!」
バタバタ暴れる彩を抱き上げたまま、
彩の家に向かう。

