「一旦、手を離そうか。」
「えー、やだー。なんでー?」
なんで、ってそりゃあ、
俺の理性が切れそうだから。
だけど、そんなこと言えるわけねえ。
言ったとしても、酔っ払ってるこいつにそんなこと言っても無駄だ。
「理由なんてないよ。
ただ、離してほしいから。」
ちょっと冷たく言ってみる。
どうせ、こいつは酔っ払ってるから次の日には何もかも忘れてるだろうし、
このまま、こいつに手だして嫌われるよりはこっちの方がよっぽどよかった。
すると彩は急にシクシクと泣き出した。
「うぅ…にしむらぐんは、わだじのごどぎらいなんだぁ…」
急に泣き出した彩に少し戸惑う。

