「浮気じゃないなら、なんでなの？」


「それは、言えません。
口外するなって言われてるので。」


「言えないってことは浮気なんでしょ？」


「だから、それは違うんですって。」


はっきりとしない西村君にイラつきを覚える。


「彩はっ、彩はあんたのこと大好きなのよ？

浮気じゃないにしても彩に隠れて元婚約者と会うのもどうかしてると思うけど？」



「それはわかっています。

でも奈美は大切な幼馴染なんです。
だから奈美の相談にものりたいんです。」


は？ それって彩より奈美とかいう女の人の方が大切ってこと？

信じられない。


「だったら…だったら奈美とかいう人と結婚すればよかったじゃないの。」


「それは嫌です。

俺には彩しかいないから。

それに今日は奈美の相談にのってただけだから。」


はっきりと私の目を見て言う西村君。

…嘘ついてるようには見えない。


「じゃあ、その奈美っていう人の相談って何？」

私が言うと西村君は少し考えて、
何かを決意したように深呼吸してから話出した。