朝。


「彩、もう行く時間じゃないの?」


とお母さん。


ふふふ、お母さん私は彼氏と行くのです



とは言えなかった。



「迎えに来てくれるの。」



「あら、そうなの? マナちゃんと由佳ちゃんかしら?」




「えっとね、違『ピーンポーン』




インターホンが鳴った。



「あら、来たわね。開けてくるからはやく鞄を用意しなさい。」



「あ、お母さん待って…」



私の声は届かずお母さんは玄関を開けに行ってしまった。




私は急いで鞄を持って玄関へ向かう。



すると玄関を開けて西村君を見たお母さんは固まっていた。



「あの、お母さん…?」



私が呼ぶとお母さんは我に返って



「えっ? あ、えっと…どちら様?」


と言った。