あれからしばらく経った。


「じゃあそろそろ帰るね。」


「送る。」


そう言って着替えようとする西村君を止める。


「ダメ。病人は寝てなさい。」


「えー、だって心配だし…」


そう言って拗ねる西村君。


うわ、拗ねないでよ〜。

どうしよ…。


「私は、大丈夫だから。
私早く西村君と学校行きたいもん。
だから今日明日とゆっくり、してね?」


私は西村君を見上げるように言う。すると西村君は私から目をそらした。


「くっ、分かったよ。

くっそ、上目遣いとか反則だっつーの。」


「へ? 上目遣い?」


「なんでもねーよ。

ほら、風邪うつるから。」


「あ、うん、バイバイ。」


「じゃあな。」


こうして私は家に帰った。