そして放課後。
「もうすぐ安田さんたちくるね。」
携帯の時計を見ながら言う。
「そうだなー。じゃあ…」
そう言って私を抱きしめる西村君。
「に、西村君?」
「シーッ。来たみたい。」
私も耳を済ませるとガチャガチャという音がして扉が開く。
「藤原さん〜、おまたせ…って、えぇ⁉︎
なんで西村君がいるの⁉︎ 」
安田さんは私を抱きしめたままの西村君を見てフリーズ。
「えー? だって安田たちが閉じ込めたんじゃん。俺せっかくここでお昼寝してたのにさ。」
すると安田さんの後ろにいた安田さんの取り巻きとファンクラブがザワザワし始めた。
「うっそ。じゃあ、西村君も閉じ込めちゃったの?」
「ってあの2人抱き合ってる!
不本意だけど絵になってるわ。」
「西村君、可哀想…!」
いろんな声が聞こえる。
「じゃあ、彩、帰ろうか。」
そう言って私の手を引いて歩き出す西村君。
「へ、うん。」
私はチラリと安田さんの方を見るとまだフリーズしていた。

