日本暗殺

「どうした?……希里斗!大丈夫か?!」


押し殺された声ではあるが、語尾は力強い


一斉に駆け寄る男達の気配を感じ、私も希里斗に振り返った


雲の合間を縫って出た月明かりが、瞬間その光景を照らし出す


しゃがみこんだ希里斗の姿があった


苦痛に顔をしかめている


私も希里斗に駆け寄った


迷いや躊躇いなどない


それまでの思考などもちろんのこと、他の感情は一瞬にして消え去り、不安と愛しさだけが私の足を我先にと動かした


「希里斗!大丈夫?!」


「おい、希里斗!」


皆の声が、暗闇の中で、小さく、強くこだまする