漆黒の闇 星一つない空の下、月明かりも消えていた ひんやりと湿った空気をこの身に感じる 「どう?外のほうがいいだろう?」 私に続いて外に出てきた希里斗がそう言った 「どうって?真っ暗だよ?」 哀しみを拭えないまま作り出した私の笑顔は、希里斗の目にどう映っただろう 暗闇が誤魔化してくれたかな 小さく笑う希里斗の声が聞こえた 「――希里斗はさぁ…」 呟くほど小さな私の声 「ん?」 「希里斗は…――怖くないの?」