理解できないまま、流れる静寂と共に時間だけが過ぎていく
何も言葉が見つからない
どうしていいのかもわからない
そんな時、希里斗がそっと私を抱き寄せた
「誰にも何も、言わないでほしい。――わかってくれるね?」
流れ出る涙は止まることを知らない
しばらく黙して、率直な思いを、言葉に変えた
「――少し…考えさせて?」
「―わかった」
聞こえたのはまた先程の男の声
「でも何か疑問を感じたり、何かしようとした時には必ず、それを希里斗に言ってくれ。決して他の誰かに言ったりはしないでほしい。
もし守れないならその時は俺達も…」
沈黙が流れた
「容赦はしない」

