私達は同じ時を、同じものを、共有しすぎてしまったのかもしれない


凄まじい速さで私の頭を駆け巡る、希里斗との思い出


三年目を迎える高校生活の中で、私に残る思い出は、すべてが希里斗と共にあった


希里斗の優しく穏やかな目


少し華奢だけど、見る者を必ず魅了するその顔立ちや、堂々とした風体


希里斗は私の自慢だった


希里斗は私の、すべてだった


だからこそこの時の別れは、私にはあまりにあっけなく、あまりに残酷だった



たった一言を残し、踵を返した希里斗


追わなかった



追えなかった…