希里斗は黙ったまま、静かに私の先を行った 私もまた言葉を口にせず、そっと希里斗の後に続く 聞こえる音と言えば歩く私達の足音だけ 怖いぐらい静かだ 「―こっちだ」 おそらく裏口なのだろう とって付きのドアの前に立ち止まり、希里斗は私が近づくのを待った 自然と足が早まる