黄昏時の光に照らされた道、吹き抜ける風はどこか、記憶に響く匂いがした


「――優里奈?」


咄嗟の声に振り返る


「やっぱり優里奈じゃん!何やってんの?こんなところで。家、こっちじゃないよね?」


聞き慣れた明るい声


「瑠美!あれ?家こっちだっけ?」


「そうだよ、何やってるの?」


こういうところにはほんの一瞬、悲しみを忘れさせてくれる力があった


瑠美とはこの2年間、クラスも一緒だ


「ちょっと寄るところあるから。でも途中まで一緒だよ?行こ!」