――その翌日、私はあの家に向かっていた


希里斗達の正体を知った、あの家だ


迷いはなかった




この世界に、心から安心できる場所なんてどこにもないのかもしれない

だったら私は、今私自身が望むことをしよう


希里斗に会いたい


共にいたい


許されるなら


受け入れて貰えるなら



記憶を消すなんてことは決して、できないのだから


希里斗を愛したその日から、私は自分が壊れていくことに、あるいは気がついていたのかもしれない