知ってよかったのかとか これからどうするとか そんなことは頭になかった ただ流れる涙を拭いて 終わらない悲劇を憎んだ いや、悲劇の始まりを、憎んだ 運命が私に用意したシナリオは、ただの悲しい恋のヒロインではない 革命を誓った希里斗達も、まだ何も始めてはいない そして希里斗にはもう、時間がない 始まりを告げるには、辺りはあまりに静かだった 嵐の前の静けさ とでも呼ぶべきだったのかもしれない