日本暗殺

吹き抜けた夜風が、冷たくなり始めた私達の体を、心を、容赦なく冷やす


それでも心音の鼓動だけが、どこか熱をおびたまま、激しく波打っていた


「――俺さぁ…」


静かにきりだす希里斗


「もう…――長くないんだ」


理解に要した時間は数秒


私が言葉を発したのは、そのまた何秒かが過ぎたあとだった




「――死ぬ…ってこと…?」