街灯に揺れる希里斗の影はどこか寂しく、暗く、そして重い ようやく、希里斗がその口を開いた 「――隠し通すつもりだった…――でも本当は、優里奈には、知っていて欲しかったのかもしれない。本当に隠し通すつもりなら、それももちろん、可能だったはずなんだ」 すぐにでも涙に変わりそうなほど、胸がざわめいていた これ以上、何があるというのだろう 変化を続ける時間の中で、留どめておけるものなどないのだ 私は心に覚悟を決め、そして問いかける 「――言って?」