「――なぁ優里奈?」


希里斗の視線は、深い夜空の彼方にあった


「――なに?」


私も夜空に、視線を戻す


「今の俺を、どう思う?」


突然の問いかけだった


でもその時の私に、一瞬の戸惑いはあっても、迷いなどなかった


「――好きだよ?何があっても、希里斗は希里斗だもん。私の中の希里斗も、希里斗。私はあんたのすべてが好き。愛してる。…それだけじゃだめ?」


照れたように顔を隠した希里斗の仕草は、少し幼げで、本当に、私の目には可愛く映った



いや、そう思いこむことで、私にだけはそう見えていたのかもしれない