――一人佇み、ただ時に身をまかせていた私を、いつの間にか暗い静寂がつつんでいた その時だ そっと近づいてきた足音が、寝そべっていた私の近くで止まった 私は上体をおこし、辺りを見回す あまりに長く横たわっていたせいか、軽く目眩がした 「――ここにいたのか…?」 街灯の光に揺れて、ぼんやりと浮かび上がったその人物は、希里斗だった