―私は近くの土手にいた


沈みかけた夕陽が今日という日の最後の光を放ち、目に見えるすべての風景が懐かしく映る


一人佇んでいた私はその場に倒れこみ、視界のすべてを空で埋めた


しばらくそうしていると、夕陽が金色に映し出す空が放つ虚しさや悲しみが、ふいに私にふりかかってきた気がした


劣等感を抱いた私には、この空があまりに寂しかった


これで良かったはずなのに


別れたくない


ただそれだけを望んでいたはずなのに



そっと、目を閉じてみる