きつく閉じていた目をおそるおそる開くと、あたしを庇うように1人の男の人が立っていた。
「な、なんだよ!邪魔すんなよ!」
「失礼。彼女が嫌がってるように見えたもので。」
「なっ!誰だよ、お前!
オレは河上興産の息子だぞ!」
「この場で自己紹介が必要とは思いませんが……
滝本と申します。
…これでよろしいですか?」
………えっ?
「たっ、滝本様⁉︎
御無礼をお許しください!
しっ、失礼しました!」
ピューっと、あり得ない程の速さでいなくなった河上さん。
この人、”滝本”って言った?
まさかね?
そーっと顔を上げると………

