「でねぇ。時雨の好きな子ってのがさー。ツンデレなんだよねー。」



「え、そうなの!?」



初耳。



「いや、知らなかったの?萌えるわー、って有名だよ?」



「うん、知らない。てか萌えるってなんだよ。」



「さー?そこが男心をくすぐするんじゃない?ね、氷雨。」



「……」



無言。



「…氷雨はどっか行ってしまったのかな。でさ、どーやってアピールすんの?」



「うーん、全然考えてないけど。」




「無謀すぎ。あんたはさ、押すタイプではないよね。」



押すってなんだ、押すって。



「ま、告白したら?」




「ぶっっっ」



「キモい」



「なんでこんな時だけ時雨は話すの!?ひどくない!?」



時雨の毒舌は変わってないっつーか…



「だから、告白すればいいって。」



「どうやったらそんなぶっ飛ぶの?」



告白とかないって。



「そーかそーか。夏が誰かに取られてもいーのかー。今度合コンにでも誘おうかなー」



「わかった、告白するから、」



ニンマリと笑うな、怖い。


「じゃ、明日の昼休み、屋上ですんのよ。」



「なんで日にちと場所を決められてんの。」



「まーまー、じゃ私は帰りまーす」






………嵐が去った。