「それに」


俺は言葉を付け足した。


「そんな奴が日向に告白なんてするわけないだろ。コクったとしても遊びだな」

俺は小さくため息をついた。


あんなうさんくさいやつと関わると絶対日向は遊ばれて終わる。


ただでさえ、単純で男に免疫がない日向だ。


適当に遊ばれて捨てられて泣いて終わるに決まってる。


「ー…もん」


ぼそりと小さく呟く声が聞こえた。


「あ?」


「遊びじゃないもんっ!しかもうさんくさい笑顔とか言うな!太陽の分らずや!ハゲっ頑固親父!太陽のばーかばーか!!」


日向は勢いよく叫んで立ち上がると少しだけ潤んだ瞳でキッと俺を睨んだ。


そして持っていたハートのクッションを俺の顔面目掛けて投げつけると、走ってリビングを飛び出した。


「いって!」ってわざとらしく大声で言ったのに、振り向きもしないで行ってしまった。


「…ちっ」


俺は、舌打ちをしてから、脱力したようにソファーに倒れ込んだ。