「日向も同じ学校なんだから期末あるだろ。くだらないこと言ってないで勉強しろよ」


「むっ本当だもん」


日向が頬をぷくーと膨らませる。


日向の子供の時からの拗ねた時の癖だ。


「それに日向、嘘下手すぎんぞ。月下風也ってあの学校1のイケメンだ?勉強も出来てスポーツ万能でいつもニコニコしてるうさんくさいやつ。完璧王子ってやつか」


月下風也のことは知ってる。


いや、多分俺の学校で奴を知らない人はまずいないと思う。


月下風也は俺より一つ年上で、日向と同じ学年。


そういえば日向が二年に進級して月下風也と同じクラスになったとかなんとかうるさいくらいに言ってたから、同じクラスではあるんだろう。


テストでは常に主席キープの優等生で、陸上部エース、加えて人当たりのいい性格に、毎年行われる学園祭でミスターコンで優勝するほどのルックス。


まだ入学して3ヶ月しかたっていない一年生の女子で、月下風也に告白したと言うやつはかなりの人数でいる。


だけどどちらかというと俺の苦手なー…いや、嫌いなタイプだ。


前に何度か廊下ですれ違ったけど、ニコニコへらへらして、誰にでもいい顔してうさんくささと言ったら半端なかった。