ポカーン。


まさにそんな感じの私と男の子。ー…こと風也君。


そしてそんなわたしたちを、ニヤニヤしながら見ている瞬君。


「か、かかか…風也くん?」


頭がパニックになった。


真っ白になって、言葉が噛み噛みになってしまう。


私の目の前にいるのは、姿形、正真正銘私の彼氏であるはずの月下風也君だ。


あ、ああああれ??


だ、だだだだだだだって、さっき瞬君と話してたのは、ヤクザみたいな口調の人で。


でも私の目の前にも、屋上にも、瞬君と風也君しかいなくてっ


でもでもっ風也君は優しくて、あんなヤクザみたいじゃなくてっっ


あれ?でもこの場合どうなるんだ?ヤクザが風也君?風也君がヤクザ?


??ダメだ、何か変なことになってきた。


「ぶっくく…」


耐えきれない、とでも言うように瞬君が口元を押さえて「あはははは」と笑った。


「日向ちゃん、全部声に出てるよ(笑)」


!?でてましたか!?私…

風也君にも聞こえてたかなぁ?


はっ( ; ゜Д゜)そうだ、風也君!!


私はちらりと風也君に視線を向けた。


すると、風也君は気まずそうに顔を背けた。


がーん!Σ(×_×;)!嫌われたんでしょうか!?!?


「…あ~あ。こんなに早くバレるとは思ってなかったんだけどなぁ。ま、感心の賭けのことはバレてないし、いっか」


「へ?」


ショックのあまり、瞬君が言ったことをききのがした。私が「何だった?」って聞くと、


「んー?いや、何でもないよー?」


瞬君は毎度の笑顔を私に向けた。


本当か?


なんか瞬君がいうと嘘臭く感じる。


くそ、ちゃんと聞いとけば良かった。


「ところでさ」


「え?」


「こっちが本当の風也だよ」


瞬君はそう言ってまだ顔を背けている風也君に視線を向ける。


え?こっち??


こっちってどっち??


いきなり意味不明なことを口走るのはやめてくれるかな、瞬君。