「てか女どもマジうぜぇ。放課ごとに群がりやがって。ハイエナか」


隣に腰を下ろした瞬を横目に、俺は言った。


そうだ。例えるならハイエナだ。


あの常に集団行動するところとか、一ヶ所に群がるところとか。


上半身をお越し、座り直していると、瞬がぽつりと言った。


「でも可愛くない?他の女の子たちと話したりすると見せるあのヤキモチ妬いたような顔」


「般若みたいで」瞬はそう付け加えて、にこっと笑った。


般若って可愛いのか…?


そんな疑問が俺の脳裏をよぎった。


そして同時に、俺は目の前にいる親友が心配になった。


何かあったのか?


何か悩んでんなら相談しろよ。


そう口を開きかけたときー…


「だいたい、風也がわるいんじゃん?誰彼構わず愛想振りまいてるから」


瞬がそう言った。


そして、「ねぇ、日向ちゃん?」と。


目線は屋上の入り口の扉へ向いている。


(え…?)


日向って…


宮本日向??


なにいってんだこいつ?


ついには本格的に頭でも狂ったか。


高2にして精神病院行き。

そして狂った瞬はその後病院の屋上から転落しー…


御愁傷様。墓には少年ジャンプ供えてやるよ。


月1な。


マガジンのがいいかな?


ちっ仕方ねぇから奮発してジャンプとマガジン両方供えてやるよ。


月1な。


そんな妄想を脳内で繰り広げていると、扉が勢いよくバンッと開いた。


そこにいたのはー…


俺が昨日嘘告をして付き合うことになった、紛れもなく、正真正銘。


宮本日向だった。