あー。イライラする。


それもこれも全部全部全部!瞬のせいだ。


俺はいつものように屋上の地面に仰向けになりながら、空を見つめた。


たった今、クラスの女子どもから逃げてきたばかりだ。


授業が終わって、放課になるたびに席に群がってくるやつら。


話題はもちろん宮本日向と付き合っているのか!?どうか。


お前らはそれしか話題がないんかい!ってくらいしつこかった。


トイレに行こうと席を立った時も、昼休みになって弁当を持って屋上に行こうとしたときも。


「どこいくんですか!?」

の一点張り。


どこでもいいだろうが。んなもん。


そこで耐えきれなくなった俺は「あ、UFOだ」といってあさっての方向を指差してそそくさと逃げてきた。

そんな古典的な手を使う俺も俺だが、引っ掛かる女子も女子だ。


まさかマジに引っ掛かるとは思わなかったけど、ま、結果オーライってことで。

「てかおっせぇ」


瞬だ。


瞬と俺はいつもこの屋上で昼を食べている。


瞬もモテるから、昼休みになると女に囲まれる。


最も瞬は持ち前の軽さで上手くかわすんだそうだが。

もう屋上に来て10分は立つ。


いつもなら、瞬が真っ先に来て女子から逃れられない俺を待っている方なのに。

俺は待つのが嫌いなんだよ(怒)


しばらくして。


屋上の入り口の扉が開いた。


「おっせぇんだよ!」


俺はその人物に怒鳴った。

ー…瞬だ。


瞬は不自然なほどにニヤニヤしながら、「ごめんごめーん」と謝った。


…ぜってぇ思ってねぇだろ。


そんな些細なことで、イライラしている自分。