「ぷっ…くくっ」


(…ぷっ…?)


私は一瞬フリーズした。


目の前では瞬君が目に涙を溜めながら、爆笑している。


「しゅ…瞬君?」


「あっははっ冗談だよ冗談!本気にしてるし!ひ…日向ちゃんっ顔真っ赤!!」

お腹を押さえて思いっきり笑っている瞬君。


…誰かこのイケメンを殺してもいいだろうか。


かつてここまで誰かに対して殺意を抱いたことはあっただろうか。


私が拳をぐっと握ると、瞬君は「ごめんごめん」と謝った。


「嘘嘘。ちょっと遊んだだけじゃん。風也なら屋上で待ってるから」


へ?屋上??


確かにこの廊下を更に行ったところには屋上へ続く階段がある。


でも確か、屋上は立ち入り禁止のはず。


「ねぇ瞬君ー…」


私が瞬君に聞こうとする前に、瞬君はすたすたと廊下を突き進んでいく。


「待ってよ瞬君!」


私はあわてて後を追った。