で、だ。


自席に座り冷静に考えた結果、瞬が黒幕だと言う結論にたどり着いた。


だって、賭けを持ち出してきたのは瞬。


昨日俺が放課後に宮本日向に告白したのを知っているのも、瞬。


消去法でこれは確実に刑事ドラマだったら、『ネタは上がってんだぞ!』状態だと思う。


「瞬だろ。バラしたの」


「そだよ?女の子たちにラインで回しちゃった☆」


てへぺろ☆と舌をだしてウインクをきめる瞬。


俺は急激な殺意を覚え、手にシャーペンを握った。


「まぁまぁ…。でもどうせバレんじゃん?だったら別に先にばらしてもよくねー?」


うっ…


そうだけど…


「でもそしたら俺のイメージがー…」 


俺が口を開いた瞬間。


「おはようございまーす」

とバカでかい声が、教室中に響き渡った。


皆の視線が一斉に一点に集中する。


その視線の先にはー…宮本日向がいた。


宮本日向はヘラヘラと笑いながら、担任の田中(♂彼女募集中の35歳)にげんこつを喰らわされていた。

なんで殴られてんのにヘラヘラしてんだよ…


仮にも自分の彼女になった人なのに、俺はどこか他人事だった。


ま、そりゃそうか。


まだろくに話したこともねぇしな。


ぼーと宮本日向を見つめていると、ふいに目がばちりとあった。


宮本日向の顔に満面の笑みが浮かぶ。


そして事もあろうか、大声で「風也君!おはようございます!!」と叫びやがった。


女たちからまたもや悲嘆の声続出。


男子はそれをうるさそうに顔をしかめて見ているし、

田中は怒る気力も失せたのか、呆然と立ち尽くしているし、


そんな全体のようすを楽しそうに見つめている瞬…。

俺はとんでもないことに首を突っ込んでしまったんじゃないだろうか。


どうなる?俺の平和な学校生活…