…は?


「だけど、お前そゆのきょーみないじゃん?告白してきた女のこ全員振っちゃうし。んで、風也が女と付き合って、夏休みまでの1ヶ月間、付き合えたらお前の勝ち。けど本性バレて、別れたら俺の勝ち」


「それくらい察しろ」と瞬は付け加えて、言葉を止めた。


いやいやいや、察しろじゃねぇよ。察せれねぇよ。


まず説明になってねぇし。


いや、説明にはなってるけど重要な部分飛ばしすぎだろ。


今ので分かったら神だわ。

…てか


「それ、俺のメリットは?」


はっきりいうけど、俺にとって得にならないことは基本的にやりたくない。


笑顔を振り撒くとか外面とかはあって損はないからやっているだけであって。


めんどくさいことはやりたくない。


「…もう用ないなら俺、行くわ」


空になった弁当を手に持ち、瞬に背を向け立ち上がった瞬間ー…


「あ~あ。風也が勝ったら賞金奮発しようとおもったのに」


背後から残念そうな瞬の声が聞こえてきた。


ピクッ


俺はふいに足を止めた。


「残念だなぁー普通にバイトするより断然こっちのが稼げんのに」


ピクピクッ


俺は恐る恐る振り返った。

そこにはニヤニヤしながらこっちを見ている瞬が。