「でもよー?風也は何でそんなに“完璧”にこだわるんだよ?もしかして中学の時のー…」


「何でもねぇから!」


俺は無理やり瞬の言葉の続きをさえぎった。


夏の暑いひざしが肌にじりじりと突き刺さる。


額から汗が伝った。


なんとなく気まずい雰囲気が、俺と瞬の間にただよう。


聞こえているのは、うるさいくらいのセミの大合唱だけ。


「そういや、結局賭けってなんだったん?」


俺は気まずい沈黙を破るように口を開いた。


「ウソ告だよ!」


ずずいっと瞬が身をのりだして、俺と瞬の顔が一気に近くなる。


瞬は「きゃっ(/▽\)♪」と頬を赤らめると、俺から少し離れた。


おい、なぜ顔を赤らめる?

しかも目、うるうるさせてんじゃねぇよ。目薬見えてるんですけど。


間違いない。瞬は俺の反応を見て楽しんでいる。


現にさっきから俺が睨み付けると嬉しそうに「こわーい」と言っている。


「ウソ告って?」


「だーかーらー、風也フリーだろ?だから、彼女つくんだよ!!」