教室を出た俺たちが向かったのは屋上だった。


本来は立ち入り禁止なんだけど、俺が鍵管理の先生を上手くごまかして、鍵をてに入れたのだ。


「まったく。お前の二重人格さには感心するわー」


地面に座り、弁当を広げている俺の隣に腰を下ろした瞬が、からかうように言った。


「うっせぇよ」


そう。俺は2つの人格を使い分けている。


1つはクラスメートや先生たちに対する態度。


優しくて、頭もよくて、スポーツ万能で、“完璧”な俺。


2つ目は今の俺。


自分でいうのもあれだが、性格も悪くて、口も悪い。

実を言うと、こっちが本当の俺だ。


優しくて“完璧”な俺は作り物。