「うぜぇよな、ちょっと顔がいいからって」 


「俺らもあんなにモテてみてぇよな」


今度は男子たちの会話。


うっせぇな。ひがんでんじゃねぇよ。


“かっこよくて”


“勉強も運動もできて”


“完璧な奴”


それが他人から対する俺へのイメージらしい。


自慢じゃないけど、一通り教科書をパラ読みしたら暗記できたり、バスケでも百発百中でシュートを決めれる俺。


女子からは好奇の目線で。男子からはひがみの対象として見られることが多い。

でも結局はそいつらも俺の“外面”しか見てない。


「ー…や、風也っ風也!!」


ふいに名前を呼ばれ、俺ははっとしたように「何?」と聞いた。


目の前には心配そうに俺の顔を覗きこんでいる、瞬。

眉間には心なしかしわが寄っている。