「あっあのっクッキーって好きかな??えとっもしよかったらー…」


「ごめんね、そういうの、誰からも受け取らないようにしてるんだ」


俺がそう言うと、女は小さくうつむく。


めんどくさ。


「でもさ、気持ちは嬉しいから。わざわざ俺のためにありがとう」


「!!いっいえっっ」


ほら。ちょろい。


ちょっとにこってしただけで女の頬は赤くなった。


どうせお前も同じなくせに。


誰だっけ?同じクラスの関口さん?関原だっけ?


が席に戻っていく後ろ姿をぼんやりと眺め、俺は小さくため息をついた。


「かっこいいよね~王子」

「うんうん、勉強も運動もできてイケメンとかマジ神」


そんな女子たちの会話が聞こえてきた。


…ひそひそ話してるつもりかよ?


丸ぎこえだっつーの。