「ー…なぁ、賭けしねぇ?」


友達の瞬(しゅん)からその話を持ちかけられたのは、四時間目が終わった昼休みだった。


弁当を片手に教室を出ようとしているところを、瞬に止められた。


瞬は、俺の小学校時代からの友達で、唯一、俺の本性を知っている奴だ。


高校に入学したと同時に茶色に染めた髪、に耳には大量のピアス。


問題は見た目も軽いが、中身も軽い。


そう。ノリで


「そ!ウソ告すんの!!」

とまで言えちゃうほどに。

「…ウソ告?」


「そう!風也さぁー…」


ふと瞬が口を開いた時。


「あっ、あのっ風也君っっ」


背後から女の声が。


…ちっ


俺は心のなかで舌打ちをし、作り笑顔を向ける。


「なぁに?」


にこっと微笑むととたんに頬を赤くする女。


手にはピンクのラッピングらしきものを持って、もじもじしている。


…またか。