でも、日向にとったらそれは負担だったんだ。
前に一度、俺は幼稚園を抜け出して、日向の通っている小学校に迎えに行ったことがあった。
途中途中で迷子になったり、反対方向に行ったりもしたけど。
俺が迎えに行ったら日向はいつもの笑顔で「すごいねぇ!えらいね」って誉めてくれる。喜んでくれる。
そう思いながら、日向の小学校へ向かった。
学校に着いてしばらくして。
校舎から校門へ向かって日向が歩いてくるのが見えた。
周りに女子が数人いる。
日向はその中の一人を見つけると、少し遠慮がちに肩に触れた。
「姉ちゃー…」
「触らないで!」
俺が日向に駆け寄ろうとするのと、一人の女子の声が重なり、俺はピタリと足を止めた。
「菌がうつっちゃうでしょ!」
その女はパシッと日向の手を乱暴に振り払うと、意地悪そうに笑って言った。
「私のママが言ってたよ?日向ちゃん家のママとパパ、あんまり家にいないんでしょ?だから日向ちゃんが弟のお世話してるんでしょ!?
日向ちゃん前に私たちが遊びに誘ったのに来なかったしさー」
「ぁっ…それは…」
日向が困惑の色を浮かべる。
「だから、私たちといるより、早く弟のところに言った方がいいんじゃない?」
そういった女の子はドンッと日向のランドセルを突飛ばし、周りの友達に「行こ」と声をかけた。
前に一度、俺は幼稚園を抜け出して、日向の通っている小学校に迎えに行ったことがあった。
途中途中で迷子になったり、反対方向に行ったりもしたけど。
俺が迎えに行ったら日向はいつもの笑顔で「すごいねぇ!えらいね」って誉めてくれる。喜んでくれる。
そう思いながら、日向の小学校へ向かった。
学校に着いてしばらくして。
校舎から校門へ向かって日向が歩いてくるのが見えた。
周りに女子が数人いる。
日向はその中の一人を見つけると、少し遠慮がちに肩に触れた。
「姉ちゃー…」
「触らないで!」
俺が日向に駆け寄ろうとするのと、一人の女子の声が重なり、俺はピタリと足を止めた。
「菌がうつっちゃうでしょ!」
その女はパシッと日向の手を乱暴に振り払うと、意地悪そうに笑って言った。
「私のママが言ってたよ?日向ちゃん家のママとパパ、あんまり家にいないんでしょ?だから日向ちゃんが弟のお世話してるんでしょ!?
日向ちゃん前に私たちが遊びに誘ったのに来なかったしさー」
「ぁっ…それは…」
日向が困惑の色を浮かべる。
「だから、私たちといるより、早く弟のところに言った方がいいんじゃない?」
そういった女の子はドンッと日向のランドセルを突飛ばし、周りの友達に「行こ」と声をかけた。