体育館に入ると、とても賑やかだつた。その賑やかさは、楽器の音でもあったし、後輩を迎えるという歓迎の挨拶でもあった。

「こんにちはっっ」

とても元気の良い挨拶が響いた。その勢いに釣られるようにして、わたし達も挨拶を返す。

と、先輩の皆さんが、ふと真面目な表情になり、ひときわ大きな声で体育館の入口に向かって挨拶をした。

釣られて体育館の入口を見たわたし達の目に映ったのは、一人の女性の姿だった。

上条(かみじょう)先生。

音楽部の顧問の先生だった。