テンポ 第一話

「良くん、テレビ消さなきゃダメだから、ちょっと離して。」

「んーん。やー」

「ダメだよ。すぐ帰ってくるから。ちょっとだけ。」

「うー。じゃ、まつ。」

甘えん坊な良くん。発作の時はいつもこうなると天楽くんに教えてもらった。

ぐじりながらも、手を緩めてくれたので、テレビの電源を落とす。

と、いきなり布団に引きずり込まれてしまった。

「めーい。ギュッてさして。」

「うん…」

「やった。だいすき。」

私は疲れてそのまま寝てしまったが、良くんはしばらく起きて、抱きついていたらしい。

様子を身に来たらしい天楽くんが後から教えてくれた。