.


「もう、寝ようか」


偏差値の高い学校だけれど、

普段の授業では<予習は必要ない>と言われている。

復習だって下校時の電車で済ませてしまうから、

家でやるのは宿題だけだし、その宿題も数が少なく、出ない日もある。


つまり、とっても充実した(遊んでるだけだけど)高校生活だ。



母は私を好きなようにやらせてくれていて、

この高校を受けたいと言ったときも文句一つ無く承諾してくれた。


その母はもうベッドに入ったようで、寝室の明かりも消えていた。


「ほんっと何にも言わないな、私の親は」


父は単身赴任で長崎で、

母は家にいてもテスト結果さえ、見ても何も言わない。



「わりと孤独だな、私」


恵まれていると思ってはいるけれど、ね。





そう思って、眠りに着いた。








____________________________
_______________________
___________________



私は、原宿のような場所にいた。



...とはいえ、それを見ている私には身体が無かった。

わかりやすく説明すると、

前で何かをしている<私>と、それを見ている[私]がいる、ということだ。






目の前の<私>は、誰かを待っているようだった。



とても楽しみな相手なのか何度も時計を確認し、とても緊張した顔だった。




すると、<私>がパッと顔を上げて微笑んだ。


...来たみたいだ。



<私>が見据えた先には、短足で背の小さい男性が速歩きで歩いていた。



...ん?


短足で背が小さい???



Hiro…⁇





なんで<私>はHiroと歩いているんだろう。


KeiやYu-ma、Naokiと同じくスプラウトのメンバーであるHiro。

嫌いではないけれど…特にファンという訳ではなかった。



<私>は神妙な顔つきでHiroと歩いて行った。




__________________
_______________________
____________________________


.