卒業(短編)

「歩夢くんの妹、2つ下だっけ?」

ファミレスを出てから、莉子に聞かれた。

…いや。
妹の誕プレよりも、俺は莉子に伝えたいことがある。

「…莉子。
話しがあるんだ」
「………」

不安な顔で俺を見る。
階段そばのベンチに二人で座り、俺は話し始めた。

「卒業式の手紙、ありがとう。
俺も莉子と一緒のクラスで良かったよ。
…俺さ、莉子に『好き』って言われてから莉子のこと意識して…、気づいたら莉子のこと、好きになったみたいなんだ。
…俺、今日、卒業しようと思うんだけど、いいかな…莉子への片思いから、卒業したいんだ。
だから…、俺と付き合って!」







俺の言葉に、うなずく彼女がいた。

お わ り